フリーランスとの契約をスムーズにするために~新法がもたらす変化とは?~

query_builder 2024/12/08
ブログ
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みなさん、こんにちは。

社会保険労務士の三浦真由美です。


本日のブログは、今年11月1日から施行された「フリーランス新法」についてお伝えします。    


働き方が多様になったなぁと実感するのは、

フリーランスで働く方が増え、また企業も雇用者とフリーランスの方とうまく共存されていること。


そこで、立場の弱いフリーランスの方の生活を守るためと、企業とのトラブル防止の観点から「フリーランス・事業者間取引適正化等法」ができました。  


この法律、まだまだ知らない企業、フリーランスの方が多いです。


そこでこのブログでは、小さな会社の健全な経営に向けて、フリーランス新法の基本的な考え方とその対策をわかりやすく解説します。

フリーランス新法とは

2024年11月1日から施行されたフリーランスの取引に関する新しい法律

「フリーランス・事業者間取引適正化等法」  


<目的>

フリーランスの方が安心して働ける環境を整備するため、大きく2つの目標があります。

①     フリーランスと発注企業間の取引の適正化

②     フリーランスの就業環境の整備


雇用に近いフリーランスの方の環境整備と、取引を明確にすることですね。


次に、どんな方がこの法律の対象になるのか


<フリーランス>仕事を受ける人

業務委託として仕事を受託していて、従業員を雇用していない方



仕事を出す会社

フリーランスに業務委託する事業者で、従業員を雇用してる会社または個人  


そうです。フリーランスの方でも従業員を雇用している方はこの法律の対象にはなりません。

発注者も、人を雇用していないと法律の対象にはならないのです。

具体的に何がどうなる?

では、具体的に何が今までと変わるのか  

一番大事なこと(と私は思います)は、

取引の適正化


①     書面等で取引条件を明示

「業務の内容」

「報酬の額」

「支払期日」

「発注者とフリーランスの名称(お名前)」

「業務委託をした日」

「給付を受領/役務提供を受ける日」

「給付を受領/役務提供を受ける場所」

「検査を行う場所、検査完了日」

「報酬の支払い方法に関する必要事項」


今まで、口頭で伝えてきた内容を書面等(メールなどもOK)で明記することが義務になりました。


どんな仕事を依頼するのか、いつまでに納品するのか、どこで納品するのか、それがいつチェックされて完了するのか、その納品の場所、報酬はいくらか、いつまでにどうやって支払うのか。


すべて、明記する必要があります。  


②     報酬支払期日の設定と期日内の支払い

報酬の支払いもいつでもいいわけではありません。

仕事を受領した(検査完了日)から60日以内のできる限り早い日に支払日を設定し、期日内に支払います。


③     禁止行為

フリーランスに対し、やってはいけないことが7つあります。

「受領拒否」→やっぱりいらない

「報酬の減額」→予定していた報酬を安くする

「返品」→正当な理由なく、やっぱりいらない

「買いたたき」→○○さんは、もっと安く引き受けてくれる

「購入・利用強制」→自社商品を購入させるなど

「不当な経済上の利益の提供要請」→担当者から袖の下をよこせと言われる

「不当な給付内容の変更・やり直し」→依頼者側の都合で不当な変更や、やり直しを繰り返す  


当たり前と言っては当たり前ですが、残念ながら今まで、そして今も行われている事柄です。

これを禁止行為として明記されました。  


④     募集情報の的確表示

フリーランスの募集に関して、虚偽の表示や誤解を与える表示はだめ

内容を正確に、かつ最新の情報を表示すること

募集方法も自由にはできなくなりました。

大げさな表現や誤解を与える表現も注意してください。  


⑤     育児介護等の配慮と⑥ ハラスメント対策

雇用に近いフリーランスの方、立場が弱いゆえに、無理をして心身ともにお仕事ができなくなることの無いように、配慮を講じることも明記されました。


例えば、お子さんの急病により、納期が遅れそうな場合や、介護のためオンラインでの就業の申出に対し、調整することがあたります。

日頃のコミュニケーションが大切になりますね。


ハラスメント防止は、言わずもがなですが、雇用と同様に相談窓口の周知や、ハラスメントの事後対応も適切にかつ迅速にするなどがあります。  


⑦  中途解除等の事前予告と理由を明示

これは、6ヶ月以上の業務委託を途中で解除したり、更新しない場合は 原則30日前までに予告義務があること


その予告の日から解除日までにフリーランスから理由を求められた場合は、理由の開示を行う


こちらも雇用と同じですね。

会社が取るべき対策

フリーランス新法を会社が取り組むべきステップとして  


まずは、取引条件をお互いに話し合い、見直すべきところは見直す。   

これが、第一歩  


次に、書面等で明確にし、互いに確認する。  


以上から始めてみてください。

まとめ

フリーランス新法の概要と、会社がとるべき対策についてお伝えしました。


現在の企業は、雇用者とフリーランスの方と混在して仕事をしていますね。  


同じように仕事をしている。  


最近は、フリーランスから雇用に変えることも多いですし、逆に雇用者から、他の仕事もしたいので、フリーランスに変えたいと申出されることもあります。  


多様な働き方が一般的になり、 会社は、その都度対応していかないといけません。

大変です。  


そんな場合は、専門家である社会保険労務士にご相談ください。  


お役に立てますよ、

お問い合わせお待ちしております。  


ここまでブログを読んでいただきありがとうございました。

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