はじめての雇用で起きやすい“労働条件の認識ずれ”について

query_builder 2026/08/22
ブログ
34650130_s

小さな会社が初めて従業員を迎えるとき、もっとも起きやすいトラブルのひとつが「労働条件の認識ずれ」です。


書面にはきちんと条件を記載していても、実際の働き方や繁忙期の運用をめぐって、経営者と従業員の受け止め方が食い違うことがあります。


最近、ある会社でこんな出来事がありました。


週1〜2日勤務、1日5時間程度という約束で入社した従業員さん。

労働条件通知書にも同じ内容が記載されていました。


しかし繁忙期に「朝から夕方までお願いすることがある」と経営者が伝えたところ、

従業員さんは「繁忙期は1日8時間働くのが当然で、それより短いのは納得できない」と不満を抱くようになりました。


経営者としては「たまにお願いすることがある」という柔らかいニュアンス。


従業員としては「繁忙期の勤務は労働条件の一部」という受け止め方。


この“視点の違い”が、認識ずれの本質です。


話し合いの結果、従業員さんは繁忙期の勤務時間だけでなく、他にも気になっていた点があったことが分かり、最終的には双方が納得する形で解決しました。


このケースは、はじめての雇用で起きやすい現実を象徴しています。

書面に書けることは「確定事項」だけ

労働条件通知書は、必ず守られる条件だけを記載するものです。


繁忙期の働き方は、業務量や会社の状況によって変動するため、通知書に明確に書くことが難しい領域です。


つまり、どんな会社にも 「書面に落とし込めないグレーゾーン」 が存在し、 このグレーゾーンをどう扱うかで、トラブルの有無が決まります。

経営者の“お願いベース”と従業員の“権利ベース”はズレやすい

経営者は「助けてもらえると助かる」という気持ちで繁忙期の勤務を伝えることが多いです。


一方、従業員は「繁忙期の働き方は労働条件の一部」と受け止めることがあります。


この違いは、入社時には表面化しません。


しかし実際に働き始めると、

「思っていた働き方と違う」

「聞いていた話と違う」

という気持ちが積み重なり、ある日突然、不満として表面化します。


今回のケースでも、繁忙期の勤務時間だけでなく、他にも言いたいことがあったという点が象徴的です。


認識ずれは、ひとつの出来事をきっかけに一気に噴き出します。

では、どう防ぎ、どう向き合うべきか

書面に書けないことは必ず口頭で補足する

「繁忙期は業務量に応じて勤務時間が変動する可能性があります」

「お願いベースで相談することがあります」

など、通知書に書けない部分を言語化して伝えることが重要です。

入社後1〜2ヶ月で“認識合わせの面談”を行う

はじめての雇用では、入社後のフォロー面談が非常に効果的です。


働き方の感覚や不安、要望を早い段階で確認することで、認識ずれが大きくなる前に軌道修正できます。

まずは従業員の言い分を一度すべて聞く

人はひとつの不満をきっかけに、関連する不満を思い出すものです。


だからこそ、まずは全部聞くことが大切です。


そのうえで、会社が対応できること・できないことを丁寧に説明することで、納得感が生まれます。

まとめ:認識ずれは避けられない。だからこそ、対話が必要

労働条件通知書は重要ですが、書面だけでは現実の働き方をすべてカバーできません。


はじめての雇用では特に、

・書面に書けない部分

・状況によって変動する働き方

・経営者と従業員の受け止め方の差

が必ず生まれます。


大切なのは、認識ずれが起きた後にどう向き合うか。


話し合いの場を設け、

従業員の言い分を受け止め、

会社としてできること・できないことを丁寧に説明する。


このプロセスこそが、小さな会社の雇用を安定させる“本当の労務管理”だと感じています。


WORK LABO社労士事務所では、従業員さんとのトラブル相談を初回無料で対応できます。


お気軽にお問い合わせください。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

記事検索

NEW

  • はじめての雇用でいちばん大切なのは

    query_builder 2026/09/06
  • はじめての雇用で起きやすい“労働条件の認識ずれ”について

    query_builder 2026/08/22
  • こんな人を採用すると後で困りますー情報過多の時代だからこそ、採用の見極めが必要

    query_builder 2026/08/08
  • 小さな会社こそ、毎年の健康診断が”会社を守る”-義務と実務のリアル

    query_builder 2026/07/24
  • 社労士に依頼するのは大げさじゃない。中小企業が抱えやすい労務リスク

    query_builder 2026/07/11

CATEGORY

ARCHIVE