はじめての雇用で起きやすい“労働条件の認識ずれ”について
小さな会社が初めて従業員を迎えるとき、もっとも起きやすいトラブルのひとつが「労働条件の認識ずれ」です。
書面にはきちんと条件を記載していても、実際の働き方や繁忙期の運用をめぐって、経営者と従業員の受け止め方が食い違うことがあります。
最近、ある会社でこんな出来事がありました。
週1〜2日勤務、1日5時間程度という約束で入社した従業員さん。
労働条件通知書にも同じ内容が記載されていました。
しかし繁忙期に「朝から夕方までお願いすることがある」と経営者が伝えたところ、
従業員さんは「繁忙期は1日8時間働くのが当然で、それより短いのは納得できない」と不満を抱くようになりました。
経営者としては「たまにお願いすることがある」という柔らかいニュアンス。
従業員としては「繁忙期の勤務は労働条件の一部」という受け止め方。
この“視点の違い”が、認識ずれの本質です。
話し合いの結果、従業員さんは繁忙期の勤務時間だけでなく、他にも気になっていた点があったことが分かり、最終的には双方が納得する形で解決しました。
このケースは、はじめての雇用で起きやすい現実を象徴しています。
書面に書けることは「確定事項」だけ
労働条件通知書は、必ず守られる条件だけを記載するものです。
繁忙期の働き方は、業務量や会社の状況によって変動するため、通知書に明確に書くことが難しい領域です。
つまり、どんな会社にも
「書面に落とし込めないグレーゾーン」
が存在し、 このグレーゾーンをどう扱うかで、トラブルの有無が決まります。
経営者の“お願いベース”と従業員の“権利ベース”はズレやすい
経営者は「助けてもらえると助かる」という気持ちで繁忙期の勤務を伝えることが多いです。
一方、従業員は「繁忙期の働き方は労働条件の一部」と受け止めることがあります。
この違いは、入社時には表面化しません。
しかし実際に働き始めると、
「思っていた働き方と違う」
「聞いていた話と違う」
という気持ちが積み重なり、ある日突然、不満として表面化します。
今回のケースでも、繁忙期の勤務時間だけでなく、他にも言いたいことがあったという点が象徴的です。
認識ずれは、ひとつの出来事をきっかけに一気に噴き出します。
では、どう防ぎ、どう向き合うべきか
書面に書けないことは必ず口頭で補足する
「繁忙期は業務量に応じて勤務時間が変動する可能性があります」
「お願いベースで相談することがあります」
など、通知書に書けない部分を言語化して伝えることが重要です。
入社後1〜2ヶ月で“認識合わせの面談”を行う
はじめての雇用では、入社後のフォロー面談が非常に効果的です。
働き方の感覚や不安、要望を早い段階で確認することで、認識ずれが大きくなる前に軌道修正できます。
まずは従業員の言い分を一度すべて聞く
人はひとつの不満をきっかけに、関連する不満を思い出すものです。
だからこそ、まずは全部聞くことが大切です。
そのうえで、会社が対応できること・できないことを丁寧に説明することで、納得感が生まれます。
まとめ:認識ずれは避けられない。だからこそ、対話が必要
労働条件通知書は重要ですが、書面だけでは現実の働き方をすべてカバーできません。
はじめての雇用では特に、
・書面に書けない部分
・状況によって変動する働き方
・経営者と従業員の受け止め方の差
が必ず生まれます。
大切なのは、認識ずれが起きた後にどう向き合うか。
話し合いの場を設け、
従業員の言い分を受け止め、
会社としてできること・できないことを丁寧に説明する。
このプロセスこそが、小さな会社の雇用を安定させる“本当の労務管理”だと感じています。
WORK LABO社労士事務所では、従業員さんとのトラブル相談を初回無料で対応できます。
お気軽にお問い合わせください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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